愛知県北東部山中を敷地とした近隣三町村が合同で運用する小さな火葬場の計画である。
火葬場という用途上の要求から、建物の基本構造は耐久性・防火性の高い鉄筋コンクリート造に決定した。一方で計画地は県内有数の木材産地であることから、火葬設備が設置される範囲以外の小屋組は木造とし、地産地消によって持続可能な社会へ貢献する計画とした。
故人との別れの場となる炉前ホールは杉板張りの壁面が会葬者を迎え、木造の勾配屋根を高窓から射し込む光が照らしている。長い時間を過ごすことになる待合ロビーには棟木を支える間柱が木立のように現れ、大空間の中に居場所を生み出している。
また、火葬場に到着してから収骨までの一連の流れを一筆書きの経路で辿ることができる平面プランとして、動線が交錯しないようになっている。
諸室の性質の違いによって光と景色の取り入れ方に変化をつけることで、会葬者の心に寄り添い、故人との別れを受け入れて穏やかに日常へ戻る一助となるような建築を目指した。
火葬場という用途上の要求から、建物の基本構造は耐久性・防火性の高い鉄筋コンクリート造に決定した。一方で計画地は県内有数の木材産地であることから、火葬設備が設置される範囲以外の小屋組は木造とし、地産地消によって持続可能な社会へ貢献する計画とした。
故人との別れの場となる炉前ホールは杉板張りの壁面が会葬者を迎え、木造の勾配屋根を高窓から射し込む光が照らしている。長い時間を過ごすことになる待合ロビーには棟木を支える間柱が木立のように現れ、大空間の中に居場所を生み出している。
また、火葬場に到着してから収骨までの一連の流れを一筆書きの経路で辿ることができる平面プランとして、動線が交錯しないようになっている。
諸室の性質の違いによって光と景色の取り入れ方に変化をつけることで、会葬者の心に寄り添い、故人との別れを受け入れて穏やかに日常へ戻る一助となるような建築を目指した。
所在地 | 愛知県北設楽郡設楽町 |
---|---|
事業主 | 設楽町、豊根村、根羽村 |
工事 | 太平・訪英・伊藤特定建設工事共同企業体 (建築)設計:伊藤建築設計事務所 施工:太平建設 (火葬炉)設計・施工:邦英商興 |
監理 | 環境技術研究所 |
敷地面積 | 2,020.56㎡ |
建築面積 | 728.33㎡ |
延床面積 | 752.94㎡ |
構造・規模 | RC造(一部小屋組木造)・地上2階建 |
工期 | 2020年3月~2021年5月 |