中京テレビ放送本社ビル
伊藤・日建 設計監理共同企業体
2015

エントランスホール
プラザC

シンボルとしてのガラス貼りの電波塔
中京テレビ放送本社は、1969年の開局以来の八事高峯町から、名古屋駅の南方に広がる大規模再開発エリア「ささしまライブ24」に移転した。新本社ビルは、11階建て高さ60m、その北東角に高さ160mのガラス貼りのシンボリックな電波塔を備えた建物である。電波塔に内在して展望用エレベーターを設置したことで躍動感が生まれ、刻々と様変わりするこの地区の景観に彩りを与えている。
東日本大震災の教訓を生かし、災害への強さ・BCP対策を徹底的に追求した。名古屋の放送局では初めてとなる基礎免震構造を採用し、大地震時にも、放送局の機能維持を可能とする耐震性能を持たせた。エントランスホールの天井は特定天井の技術基準に従って災害時の脱落対策を行い、大臣認定を取得している。設備面では11階に非常用空冷式ガスタービン発電機3台を設置し、そのうち 2基は重油と中圧Aのダブルフューエル、 1基は重油専焼として7日間の連続運転ができるようなバックアップ機能を持っている。
デザインイメージは、マスメディアの発信性、デジタル化からイメージされる鮮明性を表出させるものとし、メインとなるエントランスホールには、LEDによるさまざまな色を演出できる光壁と9面マルチモニターを設置している。


10階コラボレーションエリア
コラボレーションエリア 吹き抜けのオープン階段
9階コラボレーションエリア

部署の垣根を越えた交流を促すフロアイメージ
2層分のオフィス階は、コミュニケーションを誘発し部局を越えた連携を高めるため、大部屋とし、建物中央にはコラボレーションエリアとそれを縦につなぐ吹き抜けのオープン階段を設け、俗にいう風通しのよい雰囲気とした。各々のコラボレーションエリアをそれぞれ異なるイメージの公園に見立て、思わず他のフロアにも声をかけたくなるような空間を演出し、部署の垣根を越えた交流を促す工夫をした。


Aスタジオ
報道フロア
マスター

IMを活用し高品質な映像・音響空間を創出
放送局の「心臓部」であるスタジオは、遮音や音場レベルを満たす音響性能、TVカメラがみじんも振動しないフラットな床、照明による影が映らない平滑なホリゾントの壁など、高い品質要求を満たす設計を行った。施工段階においてもBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)を活用し、複雑な納まりや3次元の詳細な検証を行うことで、高品質な映像・音響空間を実現した。

犬飼高嘉

Data

所在地
愛知県名古屋市
主用途
テレビ局
事業主
中京テレビ放送
建築主
中京テレビ放送
設計監理
伊藤・日建 設計監理共同企業体
施工
大林組
電気:トーエネック
空調:三機工業
衛生:須賀工業
昇降機:豊島(三菱電機・東芝エレベータ・ダイコー)
構造
S造、一部SRC造
規模
地上12階
面積
敷地:7,120.52 ㎡
延床:29,522.24㎡
建築:4,321.87㎡
竣工
2015年12月
『建築画報372号』(2017.9)より抜粋