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創立15周年に際して
伊藤 鑛一

早いもので、伊藤建築設計事務所として発足以来、満15年を経過いたしました。振り返ってみますと、この15年間に社会は大きく変革して参ったと思われますが、私共の事務所にとりましても、それはまさに激動の連続であったといえます。特に昨今の社会・経済情勢、とりわけ建築界をとりまく環境のきびしさというものは、かつて経験したことのない極めて多難な状況にあるものと考えます。
そうした時期に15周年を迎えたわけでありまして、私共といたしまして特別のことも考えておりませんでした。そうした矢先に、建築画報社の小堀会長の来訪を受け先に10周年特集号を出した実績から、今度もぜひ15周年特集号を出しましょうとの強いお勧めを受けまして、まことにおこがましいのですが、おまかせすることとした次第です。
従いまして、この度は、細菌年間の作品の中から、47点を選び出し、そのうちの30点を主にみていただき、17点をダイジェストとして掲載していただくことになった次第です。私共の仕事のすべてにわたってみていただけないのは残念ですが、一つ一つの作品について、一所懸命に取り組んでおりますところをご覧いただければ幸いです。
さて、これらの作品について改めてみてみますと、それぞれに感慨一入のものがありますが、中でも、中京相互銀行本店と、中京テレビ放送新館については、特別の感慨を覚えます。といいますのは、この二つはいずれも事務所を開設して間もない頃に手がけた私共にとっては大変に重要な仕事であったわけですが、それからちょうど10年たった時点で、共に業績のご発展により、増築をされることになり、再度以来を受けまして、このように立派な作品にさせていただくことができました。
また、いま一つ感じますことは、東京を中心とした仕事が序々にではありますが、着実に実績をあげつつあることだと思います。当社は名古屋を中心として発足し、現在も当然中部圏での活躍が主でありますが、どうしても仕事をすすめていきます上で、東京にも拠点を持たなければならないと考え、東京事務所を設けましてから10年余を経まして、現在では10数人のスタッフでやっております。東京・名古屋間は、少し遠い日帰り出張位の感じで、相互に行き来して成果をあげています。
この15年の間には、BSC賞をはじめとして、中部建築賞は17点受賞することができました。最近では、プレストレストコンクリート技術協会から昭和56年度の唯一の建築作品賞を一宮地方総合卸売市場で受賞しました。また中部電力省エネルギー建築賞を2点、その他いくつかの受賞作品をだすことができました。
それにつけましても、こうして15年を振り返ってみますと、ひとえに、私共を支援して下された施主を始めとして、多くの方々の御懇情と御指導のおかげであり、紙上をおかりして改めて厚く厚く感謝を申し上げます。
最後に、事務所開設当初からの人達は、皆良きパートナーとして変らず、その後に入っていただいた人達もどんどん成長して、とにかくここまでやってこられたことは、何ものにも変え難いよろこびであることを附言しておきます。

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