2010年に「公共建築物等における木材利用の促進に関する法律」が公布されたことにより、これまで非木造化の指向のあった公共建築物は可能な限り木造化・木質化を図る方向に大きく転換した。
東栄町立東栄小学校
防火区画として管理棟、教室棟、屋内運動場棟の3ブロックに分け、さらに教室棟においては低学年教室と高学年教室の間に鉄筋コンクリート造(耐火構造)の昇降口を挟むことで、それぞれの床面積を1,000平方メートル以下に抑え、耐火仕様上その他の建築とした。
設楽町役場庁舎
地元産の木材を利用して2ヶ年度の工事期間で建設するため、工事発注の前年度から地元森林組合と連携して木材を調達した。構造材となるラミナ材は基本設計段階で必要木材数量を示し、その冬期から伐採を始め、製材、乾燥まで地元森林組合が行い、施工者に支給した。大断面集成材以外の構造材や内装仕上げ材については、工事年度での調達で間に合うため、施工者が森林組合から直接購入するかたちで地元産材を利用した。
澤村喜久夫
『建築画報372号』(2017年9月)より抜粋